あらかじめスライスされたチーズが、バックの中に入っている。スライスチーズの登場では、売り場でチーズをカットしてもらっていた当時の消費者に大きな驚きを与えました。じつはクラフトが最初にスライスチーズを思いついたのは、1930年代の後半。この時から高品質なクラフト・ブランドのスライスチーズをいかに消費者の手もとに届けるか。クラフトの研究が始まります。それから10年後、スライスチーズを製造する機械が発明されて、売場で入念なテストマーケティングが重ねられ、充分なクオリティが確保できることがわかると、念願のアイデアはついに日の目を見ることになりました。そして、スライスチーズは1個ずつラッピングされた「シングルス」という商品に発展し、現在にいたるまで多くの国々でクラフトがこの市場を独占しています。

アメリカでチーズのチャンピオンと呼ばれる「ベルビータ」や、コップ入りの「スワンキースウイッギー」など新製品を続々と発表。中でも1950年に「シングルス」というブランド名で発売したスライスチーズは斬新でした。今では世界中でおなじみですが、1枚ずつラッピングされたスライスチーズを世界で最初に開発したのはクラフト社だったのです。